2016年カタクリパトロール始まる

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2016年4月17日より、都岳連自然保護委員会の恒例行事カタクリパトロールが予定どおり始まりました。
今年は早春に暖かい日が続き、カタクリの開花も早かったのですが、その後寒の戻りもあって足踏み状態が続いたためか、保護柵設置をした先週末にもそこかしこに可憐な「春の妖精」が見られ、まだまだ蕾もありました。
しかし、シカの食害は甚大で、既に花を食べられたもの、葉が食いちぎられた株、根こそぎ無くなっている群落も多数見受けられました。

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パトロール初日は指導員を含め12名で、避難小屋にデポしてある杭やロープ、看板等の資材をコース毎に分け、奥多摩湖方面と、惣岳山方面の2コースおよびカラマツの広場に、花の分布状況により適宜調整しながら保護柵を設置しました。
また、翌17日には、烈風吹く中、やり残した惣岳山方面および大ダワ方面にも柵を延ばし、今年の設置作業を終えました。

今回の保護柵は、これまで群落が多く見られた次の場所に設置しました。
①山頂を経て惣岳山からソーヤの丸デッコ分岐、ソーヤの丸デッコ下山路、ヤセ尾根分岐先
②避難小屋から大ダワ方面登山道脇
③惣岳山から奥多摩湖方面登山道脇
④カラマツの広場

カラマツの広場から湧水の広場への登山道には多数のカタクリの花が、また体験の森内のほとんど人が入らない尾根筋や奥多摩湖への登山道の林床部には片葉のカタクリが多数見られました。
生育地の下降・分散化がさらに進んだ模様、来年以降の保護柵の設置箇所の検討が必要なようです。

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ソーヤの丸デッコでの柵設置          モニタカメラの交換作業

今年は、御前山の入山者が減少したこと等諸般の事情を勘案して、パトロールは土・日・祝のみ実施します。
登山者に安全登山や携帯トイレのPR活動等山岳環境保護のための啓もう活動を行うことが主な活動ですが、これに加え自然保護委員会が作成した『御前山リーフレット』を配布するとともに、カタクリ開花状況の調査のために昨年より始めた株数のカウントも引き続き実施します。
また、携帯トイレの周知が進んだことにより、例年実施してきたアンケートは中止しますが、これまでのアンケート結果は、その抄録をパトロール日に山頂に掲示します。
さらに、爆発的に増えているシカや、クマ、イノシシ、カモシカ等々の野生動物の行動観察のために設置したセンサーカメラは今年も引き続き稼働させています。

また、5月21日(土)には保護柵の撤去作業を行いますが、その参加者を募っています[終了]。
カタクリ保護活動、その他自然保護委員会の活動に興味のある方、是非ご協力下さい。