雲取山調査山行 2008年夏編

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 恒例の雲取調査山行を梅雨前線停滞中の2008年7月5-6日に実施。今回も参加者が19名と多く、足の確保に難があったが、機動力を活かし雲取山荘迄歩程4時間の最短コースを選択。しかし、長雨で落石の危険性があるため天祖山分岐地点で3日前に車両通行止め、真夏を思わせる強い陽射しと高湿度の中、富田新道分岐迄は2時間超の林道歩きを強いられた。
 日原林道2ヶ所で水質調査を行う。CODは〈低濃度〉。天祖山下方のカジ小屋窪では、水温18度C測定時間5分20秒設定で標準色「2」を観測、少々酸素不足か。されど炎天下には美味い水分補給となった。
 大ダワ林道では蝉時雨の中、カエデ、ブナ、ナラ、カツラ、ホウ等の広葉樹林帯が日光を遮り、沢からの風が心地よい。
 今年御前山でも多く見られたシカ除けのネットフェンスがここでも各所に張り巡らせてあった。水源林保護のため、生態系保全のための施工であろうが根本的な問題解決が必要に思う。
 3年前に開花したスズタケが60年の更新期を向え総て枯死状態、見慣れた緑も灰色に包まれていた。3〜4年もすると新生スズタケで樹木の下は覆われるであろう。
 16時前に先発の小雲取谷遡上組3名に迎えられて雲取山荘に全員無事到着。
 翌日6日、お忙しい新井信太郎氏から、今年は5月初旬迄利用した冬期用牡蠣殻トイレも排泄物分解の必要上からバクテリア育成の温水確保や、ゴミの搬出でヘリコプター使用に関して山小屋管理の大変さ、大切さについて拝聴。
 下りは富田新道を採る、ここでも灰色一色スズタケ畑の中に所々マルバダケブキを見るが、ここは夏場でもまだフキの猛烈な勢力は及んではなさそうだ。上り下りで少し気になったのは羊蹄目の足跡は例年通り多数発見されたが、至る所で山道から踏外したような、滑ったような痕跡が多くあった、本来彼らのフィールドでありながら珍しく思えた、少々野性味を失いつつあるのだろうか。
 暑い林道歩きを経て13時ゲート着。無事に調査山行を終えた。鷹ノ巣山北斜面では数ヶ所の大規模な崩壊、林道の落石状況や多数の倒木状況から昨年9号台風の爪跡は未だ生々しく残っていた、改めて自然の脅威を痛感する山行であった。

参加委員:山根、西山、栗山、小林、小原、小高

投稿:山根、小高
写真:西山 小雲取谷、雲取山荘で新井氏と