40活動の記録: 2009年7月アーカイブ

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東京の奥多摩御前山にて、今年も4月18~26日および5月10日の10日間(4月25日は悪天候のため中止)、カタクリパトロールを実施しました。

 

カタクリ保護や沢水の汚染問題をアピールしながら、山のマナーや山岳トイレ問題を聴くアンケート等の自然保護啓もう活動を行いました。行政からも高い評価を得今年も自然保護委員に加えて「日山協・自然保護指導員」の協力も得て、延べ90人の参加する大きな行事になりました。

 本年も引続き山渓環境賞受賞の事業として「惣岳山・大ダワ分岐周辺のカタクリ群生地」に保護ロープや看板を設置、また来年以降他コースにも保護柵を増設するための情報収集も行いました。
 御前山のカタクリは温暖化の影響か開花時期が「変動(今年は早まる)する」傾向があり、分布高度も上っているように見受けられます。今後の推移を注視したいと思います。

 皆様のご協力に心より御礼申し上げると共に、引き続くご協力をお願い申し上げます。


投稿: 小高

アンケートの結果は、別途掲載します。
雲取山定点調査山行 2009/07/11-12(土、日)

 前週4-5日の日山協自然保護常任委員北岳研修会の筋肉痛も未だ癒されないうちに雲取山調査山行が実施された。
 登りは昨夏と同じ大ダワ林道コースだが、今年は途中崩壊による車両通行止めも無く機動力を最大限に発揮し、前年比2時間の歩程短縮となる。

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 天気は時々薄日の差す程度で木々の枝葉も生茂り夏場にはもってこいの山行、下界では湿度が90%だがコースは大雲取谷からの吹き上げる風が心地良かった。
  10時の歩行開始から30分地点で高さ約2.5mの植物保護フェンスが張り巡らされていた。景観的には今ひとつだがフェンス内の植物は守られているようである。証拠にフェンス前までは偶蹄目の足跡が多数見られたがそこから先の草木は元気に育っていた。
 大ダワ手前のスズタケ群は更新中で完全に枯れてシオジ、クマシデ、ミズナラの大木が根元まではっきりと見渡せる静かな林である。コメツガ、カラマツの新緑の香りが素晴らしい。
 熊穴窪で水質調査CODと大腸菌検査を行う。落葉が多いためかCODはやや高めだが大腸菌は検出されなかった。
 13:05雲取山荘到着、日帰り出来る時刻だが小屋前で充分時間を掛けて野鳥観察、ツツドリ、カケス、ホトトギス、ウグイス、ヒタキ類が今を盛りと囀っている。
 翌朝、雲取山荘主の新井信太郎氏より樹木の寿命、生命力、自然界の不思議、野生鳥獣の生態、山小屋のトイレ事情など拝聴。その一例、山や林が荒れるのは昔のように炭や薪を取るため定期的に伐採しなくなったから、木には充分再生能力がある。鹿の食害は確かに増えた、小屋の前に栽培したヤナギランまで食べに来る。5年間禁猟になった熊も60年間で実際に目撃したのはたったの3回だけ、熊も餌の少ない山の中より食料たっぷりの人里を好むようだ、など々。
 今回心に残ったご主人の「60年、山に居てもわかんねえ事ばかり」なんと謙虚なお言葉か。早朝気温11℃の1時間の講義では身も心も引き締まる思いがした。

参加委員: 小高、小原、小林、山根  その他参加者4名、計8名
投稿:山根
写真:小原  雲取山山頂付近とマルバダケブキ、 水質検査の様子

参考:マルバダケブキ、メタカラコウ属[oNLINE 植物アルバム]